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『翻訳パラダイス通信』〜翻訳で儲ける!〜 Vol.32 2004/9/13
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『ツールは便利?』
産業翻訳ではパソコンと辞書以外にも
様々なツールを使う場面に遭遇する。
過去には翻訳ソフトも使った。
HTML文書にはTagEditorを使うし
IT以外の文書にでもTradosを使うことはある。
これくらいのツールは
今や産業翻訳者にとっては目新しい物ではないだろう。
しかしどんなにツールの操作がうまくなって
ツールが使えるがために仕事が増えていっても
そのうち翻訳そのものでいきづまる人かどうかは
訳文を見れば一発で分かる。
結論から言うと
「しっかり対訳になっている訳文」をあげてくる人だ。
実際、「一対一の対訳」を求めてくるエージェンシーもある。
補足情報を勝手につけようものならクレームをつけてくるところさえある。
それはそのエージェンシーが
文書の読み手のことを考えずに
自社の「訳文管理」を容易にしたいがために他ならない。
エージェンシーに文句を言っても仕方ないが
それを認識した上でエージェンシーの言うとおりに翻訳するのと
そうでないのとでは
後々の力の伸び方に大きな開きがでてくる。
たとえば、同じ文書の中に2つのソフトウェア製品がでてくるとしよう。
次のパラグラフで “The software...” と始まる文章を単に
「ソフトウェアは・・・」と訳してしまう人は多い。
一つの文しか見ていないとこうなる。
「そのソフトウェアは・・・」としていればまだマシか。
しかし複数のソフトウェアがあればどっちのことなのかが明確ではない。
まして、そのパラグラフが最初に製品名が出てきたパラから遠ければ
読者は混乱してしまう。
これはごく簡単な例にすぎないが、
This、That、It ではじまる文をそのまま「これ、あれ、それ」と
訳しているのではお話にならない。
筆者の頭の中にある「これ、あれ、それ」が何であるかを
読者に伝えるのが翻訳者のお仕事なのだ。
別にツールを使わなくてもこういう訳し方をしてしまう人はいるが、
長い文書でツールを使っているとついつい
「木を見て森を見ず」に陥りがちである。
「これ、あれ、それ」が何のことか自分で分からないようなら
その翻訳はまず読者に理解してもらえないと思っていい。
そういうときは最初から最後まで読んでみること。
それでも分からなければ徹底的に調べつくすこと。
たとえツールを使っていても
翻訳者としてのインサイトが感じられるような
訳文をつくるように心がけたい。
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【発行者】翻訳パラダイス管理人Patty
(ロックエンジェルリミテッド 代表取締役 結城 真悠)
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